森ノ宮の夜は更けて

僕は大学を卒業したあと、修行という名目で大阪にある
父の会社の取引先であるルートセールスの会社の営業所に
就職が決まって、約2年ほどそれこそ仕事づけの日々を過した。

大阪というものになんとなくマイブームを感じていた頃に、
仕事とはいえ、いけたのはラッキーだったのかも。
でもなじめずに立つ鳥汚染しまくってバイオハザードで、
東京に帰ってきた。
いろいろやっちゃったし思い出したくない事のほうが多い。

はじめて誰も知らないとおいばしょでなんかやっちゃった。
そんな大阪にはなんとなく勝手な第2の故郷感みたいなのを持って
たりする。

失敗しかしなかった。
苦い思いとか、絶望とか恐怖とか。
思い出すとしゃれにならないことばかりが頭によぎる。
まるで災厄の中心地になっちゃったかのような振る舞いだったのかも

でもまあ犯罪とかしてないんでいいんだけど。

そんなこんなを大阪城のそばに住んで、そんで過した。
ささやかながら楽しい事もあった。
でも結局のところ混乱しっぱなしのまんまだったなあ。
自分がなかったから。
自分が何をしたいのかがなかった。
やるべきことはあった。
こうしなきゃ、と思ったことは文句をいうまいと頑張った。
でも、自分がそこで何がしたいのか、という一点がなかった。
さらにいえば実行に移す勇気がなかった。

世界を開く勇気がなかった。
自分のからに無意識的にせよ、意識的にせよ避難したままだった。
自分を哀れむなとは誰かの箴言だ。
でも今、ついこの前の大阪であがいていた自分をみると、
かわいそうなことをしてしまったと思う。

でもやっちゃったことも糧にして前に進むしかないし。
てひどい失敗があったからこそ、今の自分が存在している訳だと
思うから。

今も多分いろいろな失敗が同時進行していることだろう。
やるべきことは山ほどあるし、それらの関係性も複雑を窮めている。
ミリの調整を薄氷を踏むが如く進む道しか前にはない。
あきらめているわけじゃないんだけど、
気にしてちゃ気が狂うだけなんで、踏むなら踏めばいいし。
くんならこいこら〜だし。

基本はすべて自分のせいだと思うとすこ〜し気が楽。
自分のせいではないところがあれば、ためらわずに責めること
が逆に少しだができるようにもなった。
あとは臆病の殻を勇気のとんかちで根気よくくずしていけば、
多分開けるんじゃないかなあ。

森ノ宮、緑橋。
人間として成長して、そこらへんの近隣の方とまたお会いしたい。